ディズニー映画「ノートルダムの鐘」主人公のカジモドは背中が曲がり左まぶたが垂れ下がっています。
生まれた時から見た目が醜い赤ん坊だったと劇中で描かれていますが、先天性の障害を持っていたようです。
カジモドの病気はくる病や眼下懸垂など複数あるようで、一体どんなものなのかご紹介します。
【ノートルダムの鐘】カジモドは病気?
映画「ノートルダムの鐘」冒頭では、ジプシー達がパリ市街へ入ろうとしていました。
ジプシーは占いや踊りでお金を稼ぐ移動民族で、パリの秩序を乱すと考えていた最高判事フロローは捕えようとやってきます。
赤ん坊を抱き抱えた女性を追いかけて階段から落とし、その赤ん坊を見ると何とも醜い顔をしていました。
フロローは顔しか見ていませんでしたが、生まれた時から左まぶたが腫れ上がり醜い顔をしていたと考えられます。
醜い赤ん坊をフロローは近くの井戸に捨てようとしましたが、ノートルダム寺院の司祭が
神が見ている、その行為は許されない
と伝え、マリア石像達と目が合った厳格なカトリック教徒のフロローは負い目を感じ育てることにしました。
カジモドの病気はくる病&眼瞼下垂の障害!
当時は15世紀のフランスが舞台となっており、貧しい時代でした。
神戸大学経済経営研究所によると、ルネサンス(文芸復興)が始まっていたにもかかわらず人々はじゃがいものポタージュとブール(フランスパンの原型)を1日一食食べていたようです。
ジプシーだったカジモドの母親は十分な栄養が取れないままカジモドを産んでいる可能性が高いでしょう。
生まれたばかりの頃からみられる眼瞼下垂はまぶたを持ち上げる主な筋肉である眼瞼挙筋の機能障害や未発達が原因であるとされています。
またカジモドの背中が湾曲しているのはくる病といわれ、原作の「The Hunchback of Notre Dame」はノートルダムの背骨が湾曲した男(=せむし男)となります。
せむしというのは昔、背に虫がいるためと誤信したことから言われているようですが、背中が盛り上がる病気として使われています。
せむしはくる病とも言われ、ビタミンDが足りないことにより、カルシウムやリンが不足して引き起こされると言われています(日本小児内分泌学会による)。
【ノートルダムの鐘】はヴィクトル・ユゴー自身に由来?
「ノートルダムの鐘」原作はフランス人作家のヴィクトル・ユゴーによって1831年に発表された小説によるものです。
小説で描かれているカジモドは
生まれつき背が曲がっており、顔は片目に見えるほど歪んでいる。
Notre-Dame de Paris
鐘番の仕事により耳が聞こえなくなっている。
ディズニー映画では耳が聴こえない人物としては描かれていませんが、容姿は醜くノートルダム寺院から出られずに過ごしているという、ディズニーにしては暗い時代を描いていますよね。
原作ではフロローだけでなくエスメラルダも処刑され、カジモドも自殺する結末になっています。
ヴィクトルユゴーは両親の仲が悪く、母親は不倫をしていたため自分は愛人の子なのではないかと悩んでいました。
結婚相手を母親に大反対されようやく結婚するも妻に浮気され自身も複数の女性と関係を持っています。
また自身の息子と娘を亡くしており、ナポレオン政権の下19世紀で苦しい生活を強いられた環境からこのような小説が生まれたのではと思います。
ディスニーの「ノートルダムの鐘」がハッピーエンドなのはアメリカ映画らしいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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